10:40 ― 11:00 |
イノベーションスプリント開催にあたり |
11:00 ― 13:20 |
Roots of Scrum
暗黙知と形式知、リーダーシップの要件、知識創造企業、動詞の経営など、ビジネスマネジメントに多大な影響力のある野中郁次郎氏は、かつて自らの論文で1980年代の日本の製造業が育んできたイノベーションを生む仕組みを『スクラム』と名付けました。そして遠く海を隔てた米国で、その論文に注目したジェフ・サザーランド博士は、リーンなど様々なマネジメント手法に影響を受けながら、近代的なソフトウェア開発フレームワークを『スクラム』と名付け、ソフトウェア開発を革新したのです。
そして今、世界で最も普及したアジャイルソフトウェア開発手法『スクラム』の、まさしく生みの親と育ての親であるおふたりが出会います。それぞれの専門分野でなにを課題として捉え、なにを目指して『スクラム』に辿り着いたのか、今回の歴史的な対談では、その過程と意義を会場のみなさんと共有できるでしょう。
本セッションでは、まず野中氏より、組織におけるイノベーションを起こすために必要な条件である新しい知識を創造する組織とそのリーダーのありかたについて、お話いただきます。とくに、目標を提示しながら、メンバーの個性を尊重するリーダーシップ、インフォーマルなコミュニケーションの中で、SECIモデルによる知識と実践を往復するリーダーシップについて、多くの日本企業の事例を交えてお話頂きます。
次に、サザーランド博士より、ソフトウェア開発現場でのアジャイル手法の1つであり、現在全世界で利用されている「スクラム」について紹介します。その名称は竹内弘高・野中郁次郎の論文から発想しています。その特長は、製品が生み出す価値を分析して、限られた時間の中で、動的に計画を変更しながら開発を進める点にあります。チームの自主性を尊重してモチベーションを引き出している点も、イノベーションの面から注目されています。
この手法の元になった日本の組織の素晴らしい文化とはどのあたりかを、再発見できるとともに、世界のソフトウェア開発現場で起きているアジャイルムーブメントも感じることができるでしょう。
さらに、パネルディスカッションでは、私たちが2011年の現在直面している、激しい競争と新たな可能性を秘めた『競創/共創の時代』のなかで、いかにしてイノベーションを実践していくのかについて考えていきます。
一橋大学大学院国際企業戦略研究科 名誉教授 野中 郁次郎 氏
Chairman,the Scrum Training Institute ジェフ・サザーランド
氏
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13:20 ― 14:20 |
Break |
14:20 ― 19:00 (予定) |
東証新株式売買システム
arrowheadにおける開発プロセス
東証は2010年1月に次世代株式売買システム「arrowhead」を稼働させました。注文応答時間を従来の1000分の1にあたる2ミリ(1000分の2)秒に短縮し、売買処理のスピードが飛躍的に向上したことにより、High Frequency Tradingを得意とする海外顧客の新規参入が始まりました。本講演では、東証がarrowheadの構築にあたって、発注者として取り組んだ開発プロセスの改革についてご紹介します。具体的には、4000ページにおよぶ詳細な要件定義書と外部仕様書の作成、1万項目を超える要件項目一つひとつと設計書・テストケースとを紐付けることによる「要件トレーサビリティ」の確保、後工程で発見した前工程のバグを分析して要件定義書や設計書の品質強化を図る「フィードバック型V字モデル」の導入、等についてご説明します。
株式会社東京証券取引所 株式売買システム部長 宇治 浩明 氏
株式会社富士通アドバンストソリューションズ 執行役員常務 金子 久三男 氏
モデレータ:奈良先端科学技術大学院大学 森崎 修司 氏
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Infragisticsにおける
世界分散アジャイル開発事例
~ communication matters ~
"最先端のアジャイル開発。イノベーティブな製品作りの秘密"
米国に本社をもつ Infragisticsは、20年以上、コンピュータのユーザインタフェースライブラリを提供し続けてきました。2006年よりアジャイル適用の取り組みを始め、現在は米国/インド/東欧2カ国に開発拠点をもち、世界分散のアジャイル開発を実践しています。本セッションでは、これまでのアジャイル適用の軌跡と従業員からの評価、ツールを活用した遠隔地コミュニケーションについて、実践的な事例をご紹介します。
インフラジスティックス・ジャパン株式会社 代表取締役 デビッド・クーニング 氏
モデレータ: マイクロソフト株式会社
エバンジェリスト / シニア プロダクト マネージャー 長沢 智治 氏
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NTTデータにおける
制約理論を活用した分散アジャイル開発
~アジャイルとTOCの融合~
昨今のビジネスにおける競争激化、グローバル化の流れへ対応すべく、SI業界も、従来型の開発手法から新しい開発手法への脱却が求められています。
本講演では、NTTデータにおけるインド-日本の分散開発拠点でのアジャイル開発事例を紹介します。
アジャイルの代表的な手法である「スクラム」をベースに、「TOC(Theory of Constraints:制約理論)」
による科学的プロジェクトマネジメント手法を取り入れた分散開発型のアジャイル開発手法を説明します。
株式会社NTTデータ 技術開発本部 プロジェクトマネジメント・イノベーションセンタ
シニアエキスパート 柴山 洋徳 氏
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「初代プリウスの開発と組織風土」
~ イノベーションを生み出す組織とは ~
世界初の量産ハイブリッドカーである初代「プリウス」の開発は、当時の
トヨタ自動車にとって、大きな転換点となるイノベーションの実践例で
した。
次世代をつくる製品開発の現場に、当事者として立ち会った経験から、
イノベーションを生み出すトヨタの開発風土について紹介します。
慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 教授 佐々木 正一 氏
モデレータ: 独立行政法人産業技術総合研究所 江渡 浩一郎 氏
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19:30 ― 21:00 |
懇 親 会(ピザパーティ) |
プログラムは変更になる場合がございますので、ご了承ください。